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  • Chirico

「ライフ」実験レポート3

コキカルは香川で劇場公演をするのが初めてでした。 コキカルはたいていその場所から力をいただいて作品を作っていました。 今回もノトススタジオでしか出来ないことをやりたいと思っていました。 そこで、以前から漠然と思っていたことをやってみようと思いました。 「1つの言葉と1曲の音楽があれば、作品がひとつできる」という仮説です。 One word ,One music,Project「ワンワンプロジェクト」 ”たった1つの言葉さえほかの誰かと共有することは難しいのに、私達はどうやって日々を過ごしているんだろう。” もしひとつひとつ単語や文章の意味を検証して会話をしていたら、日常生活を送ることがとても難しくなると思います。 でも、たった1つの言葉についてゆっくりじっくり向き合ってみる。そんな時間が過ごせるのが劇場という空間なのではないかなと。

それってとても豊かな時間なんじゃないかなと。 そして、その言葉から思い浮かべるいろんなひとのイメージをつなぎ合わせて作品にしようと。

今回舞台に立つ人たちだけでなく、今回のスタッフ、過去に舞台に携わっていたけど今はやっていない人、そもそも舞台なんて無関係な人たちから言葉のイメージをかき集めて作品にしよう、と。 カタカナがいいと思っていました。 一番身近にある、日本と世界がつながる記号だとおもうから。 それから言葉を選びました。 はじめは線、ラインにしようと思いました。 でも、今は、LINEが普及しているので、イメージの広がりに欠けるかなとおもいました。 だから、一文字変えて、「ライフ」にしました。 今回のラストシーンはリハーサルが始まって初期の頃でした。 台詞を渡して、出来るならやってほしい、とお願いをしていました。 高校を卒業したばかりの少女です。 しばらくたったある日、彼女自身から「やります」という言葉を貰いました。 彼女に託した台詞は、大阪時代から応援してくださっている方からいただいたこの回答が元になっています。

Q-あなたにとって「ライフ」とはなんですか❔

Ans.-私にとってライフとはきっと偽物。「ライフスタイル」とか「○○ライフ」とか、憧れてるんだけど、やっぱり虚像。 そして、ここから生まれたのが、このラストシーンの台詞です。 「ライフって、日本語って、カタカナにすると意味なんだか軽くないですか?ライフスタイルとか、気取ってませんか。憧れはするけど、偽物。理想に取り憑かれてありもしない虚像を追いかけている気がするんです。上澄みだけすくって美味しいとこだけ食べてる。 でも雑誌やSNSでキラキラした生活を送っている人たちも、朝起きたらひげは生えるし、トイレ行ったらお尻も拭くし、ゴミ分別してゴミ出すんです。 そうやって余計なものや無駄なものをいっぱい撒き散らかして、いろんなひとを傷つけています。 そんなことなかったかのように、毎日過ごすんです。 そんなこと忘れて理想だけを追いかけるって、ひどいです。 でも、ひどくていいんです。 今日も、今も、ひどいことしながら笑おうと思います。」

「ライフ」はまだ発展途上の作品です。 いつか、カッコつかないアルファベットの LIFE としてお届け出来る日のために、

今日も、今も、ひどいことしながら笑おうと思います。

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